本剤の重大な副作用として、ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあります。本剤の成分並びに他のアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対する過敏症の既往歴のある患者には、本剤を投与しないでください。
アミノグリコシド系抗生物質の一般的な副作用として、めまい、耳鳴、難聴等があらわれる場合があることが知られています。アミノグリコシド系抗菌薬による聴器毒性は不可逆的である場合があり、注意を要します。本剤の国際共同第Ⅲ相試験(CONVERT試験)では、聴器毒性が対照群に比べ本剤投与群で高頻度で報告されました(18.4% vs. 10.7%)。また、本試験では重症の聴覚障害、前庭機能不全を有する患者は除外されました。
国際共同第Ⅲ相試験(CONVERT試験)におけるベースライン時の耳および迷路障害の病歴
アミノグリコシド系薬剤は、神経筋接合部でのアセチルコリンの遊離を遮断し、重症筋無力症患者において筋力低下を悪化させるおそれがあることが知られています。本剤の国際共同第Ⅲ相試験(CONVERT試験)では、神経筋障害、重症筋無力症を有する患者は除外されました。
国際共同第Ⅲ相試験(CONVERT試験)におけるベースライン時の腎および尿路障害の病歴
本剤の国際共同第Ⅲ相試験(CONVERT試験)では、本剤投与群の53.1%(224例中119例)〔日本人集団では52.9%(34例中18例)〕が65歳以上でした。
アミノグリコシド系薬剤は、妊婦に投与すると胎児に有害な影響をおよぼし、不可逆的な両側性先天性難聴を引き起こす可能性があります。また、本剤のヒト母乳中への移行や、母乳栄養児への影響、吸入による投与後の母乳産生への影響に関する情報は得られていませんが、アミカシンは乳児に影響をおよぼすことが知られています。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては、本剤による治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与してください。
本剤のヒト母乳中への移行や、母乳栄養児への影響、吸入による投与後の母乳産生への影響に関する情報は得られていません。アミカシンの他の投与経路に関する公表データからは、アミカシンがヒト母乳中に存在することを示していますが、吸入剤である本剤ではその濃度は低いと予想されます。
授乳婦に対しては、本剤による治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。